生気通天論②

薬膳

陽気の作用

陽気は、体の外側を囲って外邪から身を守っていますが、
寒気に遭遇すると体の中に引っ込んでしまいます。

陽気は、熱と活動の性質があります。
体内に陽気がこもると、体が熱して興奮しやすくなります。
この時、暑さが加わると、体が灼熱して煩燥状態になり、うわごとを言ったりします。汗を出して熱を下げる治療が必要です。
この時、湿気が加わると、湿気と陽気が混じって頭が重くなります。同時に、陽気が弱まり四肢が浮腫みます。
過労になると、陽気は過度に亢進し陰気が枯渇します。
猛暑の時、過労になると、陽気は頭に昇りめまいをおこします。ひどい時は目も耳もきかなくなります。
激怒した時、陽気は騒いで血が頭に逆上して昏迷をおこします。
美味しいものばかり食べていると、陽気は溜まり腫れ物を生じます。
汗をかくと、陽気も一緒に発散して虚になります。この時、風にあたると寒気は虚をついて皮膚に入り、鼻が赤くなったりおできができたりします。

陽気は、精神、筋肉、皮膚の機能を養います。
寒気が筋肉にこもると、陽気の養いを受けられず、背が曲がってきます。
寒気が血脉に入ると、血の流れが滞り、痔瘻にかかります。
寒気が臓腑に入ると、恐怖症をおこします。
寒気が肌肉にこもると、膿性の腫れ物を生じます。
汗や疲れが加わると、寒くなったり、発熱したりします。

風邪は、色々な病気を引き起こします。
陽気が正常に働いていれば、風邪は人体に入ることができません。
四季の変化に適応して生活することが大事です。

陽気の流れが滞ると、死病になることが多くなります。
陽気の巡りが止まったら、直ちに疎通させなければなりません。

朝、陽気はよみがえり、人体の外に出て体を守ります。
昼頃には、陽気は最も旺盛になります。
夕方、太陽が沈むと陽気は少なくなり、毛孔は閉じます。
夜、陽気は体の奥に入るので、体を休め、寒さにあたらないようにしましょう。
これら1日の変化を無視すると、体が外邪に襲われやすくなります。

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